2022年03月06日
ひなまつり展2022のご紹介④
みなさん、こんにちは。
「ひなまつり展2022」のご紹介、4回目最終回になります。
今回は雛祭りのお飾りに戻り、「舞踊人形コーナー」についてご紹介します。
「舞踊人形」といってもピンと来ないかもしれませんが、ガラスケースに入った「藤娘」や「汐汲み」などのお人形のことです。
室内はこんな感じです。
〈舞踊人形コーナー〉
改めて説明すると、「舞踊人形」は女の子の成長を祈り、初節句のお祝いとして雛人形とともに贈られることが多いようです。
歌舞伎や能、日本舞踊などの一場面を表した人形で、ケースに入り、木札に「藤娘」などの演題が記されています。
今回は舞踊人形に用いられている、日舞の道具も一緒に飾っています。見どころの一部をご紹介します。
こちらは「浅妻」。
〈浅妻〉
演目としては「浅妻船」といいます。浅妻船とは、琵琶湖の港町・朝妻の渡し船のことで、烏帽子・水干姿の遊女が舟に乗って客に接していました。
展示している道具は、遊女の持つ鼓などです。月夜の海に浮かぶ舟に、美しい女が白拍子姿で鼓を打ちながら現れ、女は名残りを惜しみつつ舞い納め、月影の中に遠く湖の向こうへ消えていきます。
次は「八重垣姫」。
〈八重垣姫〉
八重垣姫は、兜を持って舞い踊っている姿で表現されます。
八重垣姫は上杉謙信の息女で、武田信玄の嫡子勝頼の許婚で、武田勝頼の危機を救うため、父・謙信の元にある「諏訪法性の兜」を盗み出さなくてはいけなくなります。
後ろの扇は二重になり鈴を付けていますが、姫を助けた狐の姿を表しています。
このように、日本舞踊の道具と舞踊人形を一緒に見ると、その人形の持つ物語が思い浮かばれるのではないでしょうか。
見慣れた人形も、切り口を変えると少し見方が変わってくるはずです。
本日が会期最終日ですが、ご来場の際には「舞踊人形」もぜひご覧ください。