2024年10月06日
第229回 温故知新の会 東京狭山茶 手もみ実演
身近なお茶も、かつては人の手のみで作られていました。この手もみ茶の実演見学と試飲体験をけやき館で10月6日と13日の両日行います。10月6日の様子をお届けします。
手もみ茶は全体では7時間もかかる大仕事です。今回は工程の前半と後半を2台の「ホイロ(焙炉)」で同時に見られるように工夫していただきました。「ホイロ」とは、下から加熱する作業台のことです。上部は助炭といい、木枠に和紙が張られています。
かつて瑞穂町近隣では、自家消費するお茶は各家庭で作り、古い帳簿などをホイロに張ったため、和紙回収の古紙業者がいたそうです。それにより、各家庭のちょっとした文書が残っていないという説もあります。
蒸したお茶を常温まで冷やし、表面の水分を取る「葉振るい」の工程の様子です。触ってみると、水分が少なくなっていくように感じられました。
助炭の上での「回転揉み」は、参加者も体験させてもらいました。2名で同じ方向に転がします。
後半の「揉み切り」の工程では、葉はかなり細長く、針のようになっていました。
見学の後はお待ちかねの試飲体験です。貴重な手もみ茶は、1.5kgの茶葉を用意しても300gしかとれないとされています。少量のぬるいお湯で一煎めを味わうと、「普通のお茶と違う」「甘味を感じる」「薬のよう…?」など、様々な感想が飛び交っていました。二煎めは、普通のお茶の味わいがしてきました。「たくさんの量を飲むものではない」とのことで、お茶菓子を食べ、深蒸し茶もいただきました。こちらはいつもの美味しいお茶でした。
狭山丘陵で採集してきたお茶の葉や実の標本も使いながら、お茶にまつわる様々なお話も聴くことができました。
商品は若干数の販売がありましたが、手もみ茶はなんと売り切れ、お家でもう一度味わってみたい方が多かったようです。次回は10月13日に講座がありますが、満員御礼です。商品は講座終了の15時ごろにお越しいただければ、もしかすると購入できるかもしれません。瑞穂町には地元のお茶屋さんが多くあります。手もみ茶を求めて、お店を訪ねるのもよいかもしれませんね。
講座はまた来年も企画予定です。ご興味を持たれた方は、次回ぜひご参加ください。