みなさん、こんにちは。
毎日寒い日が続きますが、いかがおすごしですか。
けやき館では12月21日に「狭山丘陵 冬の探鳥会」を実施しました。
講師は日本野鳥の会・奥多摩支部会員の名執修二さんです。
今回は、狭山丘陵内の「里山民家」(武蔵村山市)に集合して、宮野入谷戸周辺を中心に散策しました。
開始早々に参加者の男児が上空にオオタカを見つけ、探鳥会の雰囲気を一気に盛り上げてくれました👍
その後は、名執さんの案内でモズを観察しながら、途中珍しい物を発見しました。下の写真の中央部分ですが、何だか分かりますか?
よく見ると「はやにえ」です。モズには、捕らえた昆虫や小動物を枝の先に刺す習性があるとのこと。確かに刺さってました💦
他にも、ヒヨドリ・メジロ・セグロセキレイ・アオジ・ノスリ・トビなど、さまざまな野鳥に出会っただけでなく、イタチにも遭遇することができました。
また、姿が見えず鳴き声だけの鳥は、名執さんがイラストやご自身で撮影した写真を使って、解かりやすく説明してくださいました。
今日の探鳥会には、瑞穂ケーブルテレビが収録のため同行しました。番組は来年3月に「なるほど!ザ・みずほ」で放送予定です。
毎回大人気の探鳥会は、来年の春に次回の実施を予定しています。みなさんのご参加をお待ちしています。
2024年12月08日
狭山丘陵市民大学2024「狭山丘陵の獅子舞」獅子舞実演
みなさん、こんにちは。
先週に引き続き、狭山丘陵市民大学「狭山丘陵の獅子舞」が行われました。
今回は「四市町の獅子舞と高木獅子舞実演」です。
先週の久保田裕道先生による講演を踏まえ、各市町の獅子舞の概要が説明されます。
隣り合った地域であっても、獅子舞の成立は異なり、獅子頭の表情から演目構成の違いまで差異がみられることがよくわかりました。
〈横中場の獅子舞〉
〈高木の獅子舞〉
ちなみに、瑞穂の箱根ヶ崎獅子舞は、獅子頭は龍頭で、先導役は天狗、獅子舞の前に棒遣いが曽我兄弟の仇討ちの場面を演じるなどが特徴に挙げられています。
続いて、高木獅子舞の実演になります。
高木獅子舞は江戸時代から始まっていると言われていますが、一時中断していたものを「高木獅子舞保存会」が1998年に復活させ、現在に至ります。
例年、9月15日前後に高木神社で奉納上演のみとのことですが、今回は特別にけやき館での上演に応じていただきました。
まずは、会長からのご説明。
〈保存会尾﨑会長〉
続いて先導役(狐)と三匹獅子が勇壮な踊りを披露します。
〈三匹獅子と天狗〉
両脇にはささらすり、そして唄と笛も加わり、獅子舞が舞われていきます。
〈ささらすり〉
〈笛〉
こちらは雌獅子隠しの場面。雄獅子同士で激しく争っています。
〈雌獅子隠し〉
やがて仲直りして終演を迎えます。
〈無事終わりました〉
いつもとは勝手が違う会場ですが、綿密に準備され、形を変えながらも分かりやすく演じていただきました。ありがとうございます。
なお、落ちた獅子の毛(かんな削りした薄板)は縁起物とのこと、見学の方が持ちかえりました。
見ている方もきっと貴重な体験をされたと感じたのではないでしょうか。
狭山丘陵市民大学は来年度も実施予定です。来年度もご期待ください。
2024年12月01日
狭山丘陵市民大学2024「狭山丘陵の獅子舞」講演会
みなさん、こんにちは。
今年も狭山丘陵市民大学が始まりました。
狭山丘陵市民大学とは、狭山丘陵を中心に歴史や文化を学ぶ、東村山市・東大和市・武蔵村山市・瑞穂町が合同で行っている勉強会・見学会です。
今年のテーマは、「狭山丘陵の獅子舞」です。
多摩地域、狭山丘陵周辺には三匹獅子舞が数多く伝えらえています。今年は講演会と東大和市の高木獅子舞の実演を通して、獅子舞について学ぶ講座となっています。
今回は東京文化財研究所の久保田裕道先生に「狭山丘陵から日本のシシマイについて考える」と題して講演をしていただきました。
〈講師の久保田裕道先生〉
民俗芸能としてのシシマイは三匹獅子舞だけではなく、多岐にわたり、例えば正月の門付の獅子舞もその一つです。
まずはそんないろいろな獅子舞を、久保田先生撮影のスライドで見ていきます。舞楽系の獅子舞、行道系の獅子舞、山伏神楽系の獅子舞…、それぞれの芸能の特徴を見た上で、三匹獅子舞に入ります。
〈講演の様子、シシマイの分類〉
三匹獅子舞は雄獅子2匹による雌獅子の取り合い(雌獅子隠し)が定番ですが、そうはいっても定番にオリジナルの要素が加わりやすいようで、地域ごとに面や所作などに個性が見られやすいことを、様々な三匹獅子舞を事例に紹介していただきました。
確かに、瑞穂町の箱根ヶ崎獅子舞についても、獅子が登場する前に棒遣いが曽我兄弟の場面を披露することが特色であるといわれています。
そして、来週実演の高木獅子舞の形態や唄など、みどころを紹介していただきました。来週の実演が楽しみになります。
次回は来週(7日)、四市町の獅子舞の紹介と東大和市の高木獅子舞による実演となっています。まだ空きもありますので、ぜひご参加ください。
2024年11月23日
「古民家で楽しむ紙芝居」を開催しました
みなさん、こんにちは。
季節はすっかり晩秋になってきましたが、いかがおすごしですか。
本日けやき館では、「古民家で楽しむ紙芝居」を開催しました。
一作目は「五郎松・十郎杉」です。画は現代美術家の相馬博さんが描きました。
曽我の十郎と五郎の兄弟が、親の仇・工藤祐経を討つ話が題材になった昔話です。
二作目は、瀬戸内寂聴さんがお話を作った「幸せさがし」です。
中国を舞台に、幸せを求めた若者が西方に旅して、お釈迦様に会いに行くという物語でした。
「古民家で楽しむ紙芝居」全10作品は、YouTubeでご覧いただけます。
他の9作品もぜひご覧になってください。
次回の「古民家で楽しむ紙芝居」は来年2月15日(土)に開催する予定です。
みなさんのお越しをお待ちしております。
2024年11月23日
おとなの工作体験教室「ヒンメリづくり」
11月17日(日)に、おとなの工作教室「ヒンメリづくり」を行いました。
ヒンメリとは、フィンランドの伝統的な麦わら細工です。古くから、夏至に行われていた太陽神の復活と翌年の豊穣を祈願する収穫祭「ヨウル」の装飾品として使われていました。キリスト教が伝来してからは、クリスマスの祝いに変わりながらも、夏至まで家庭の食卓に吊るされていたようです。
本来ヒンメリの材料となるのはライ麦ですが、今回は紙ストローで代用し、基本となる八面体で構成された飾りを作りました。
ストローに紐を通し三角を作っては結んでいくというシンプルな作業なのですが、順序通りに三角を作り、ゆるまないように紐を結ぶのが意外と難しいのです。
大小の八面体を組み合わせ、キラキラと光るパーツやタッセルをつけて出来上がりです。
<参加者の作品>
みなさん苦労しながら集中して作業し、あっという間に終了時間となりました。
みなさんのお家でキラキラと飾られていることと思います。
ご参加ありがとうございました。
来月は、おとなの体験教室「江戸文字講座」と冬のわくわく工作教室「おなまえハンコを彫ろう」を開催します。
<おとなの体験教室「江戸文字講座」>
歌舞伎文字勘亭流書家の川田真壽氏をお招きし、レクチャーを受けた後、新年に向けての文字や来年の干支などをミニ色紙やはがきに書きます。書道とはまた違ったもので、和のレタリングのようなものです。ぜひぜひご参加ください。
12月8日(日)
13:30~15:00(終了予定)
定員:10名
参加費:2,000円
おとなの体験教室 江戸文字講座 | 瑞穂町郷土資料館 けやき館
<冬のわくわく工作教室「おなまえハンコを彫ろう」>
専用けしゴムと彫刻刀を使って、クリスマスカードや年賀はがきにも使えるハンコを作ります。
子さんも大人の方も大歓迎!かわいい図案を用意してお待ちしております。
12月13日(金)、14日(土)、15日(日)
10:00~12:00(終了予定)
定員:各日6名 小学生は保護者同伴
参加費:1,000円
持ち物:カードや年賀はがきなど3枚まで
冬のわくわく工作教室 おなまえハンコを彫ろう | 瑞穂町郷土資料館 けやき館
けやき館受付けか、お電話(042-568-0634)でお申込みください。
2024年11月16日
10周年記念企画展「大海道 細渕家展」ギャラリートーク
みなさん、こんにちは。
本日、開館10周年企画展「大海道 細渕家展」のギャラリートークを実施しました。
けやき館・耕心館の敷地は旧富士山村の豪農、屋号「大海道」細渕家の敷地でした。開館10周年にちなみ、細渕家の旧蔵資料の中から、細渕家や元狭山地区の移り変わりを紹介した展示です。
〈展示室の様子〉
細渕家は近世・近代にかけて村政に深く携わり、江戸時代最後の名主で、明治時代最初の戸長を務めました。
江戸時代の村の仕組み、ノウハウを利用しつつ新しい村の仕組みを築いていたことがよくわかります。
〈展示解説の様子〉
また、醤油醸造を始め、養蚕、製茶、質屋など多角的に事業を展開し、豪農として様々な取り組みをしていました。
現在の耕心館(細渕家母屋)が二階建てなのも、実は養蚕のため、屋根を切り上げて改修したことに由来します。
ギャラリートークに参加していただいた方も、昔の様子と今の姿を比較して興味を持っていただいたようでした。
展示は来年の1月13日(月・祝)まで開催しています。図録を1冊500円にて販売していますので、記念にお手に取ってください。
また、次回のギャラリートークは12月14日 (土) 14:00~15:00にも開催しますので、興味のある方はお気軽にお越しください。
2024年11月16日
第231回温故知新の会「箱根神社所蔵の箱根権現本地仏懸仏について」
みなさん、こんにちは。
本日、開館10周年を記念して「箱根神社所蔵の箱根権現本地仏懸仏について」の講演をしていただきました。
講師は元神奈川県立歴史博物館の館長、薄井和男先生です。
特別展示「箱根神社所蔵箱根本地仏懸仏」に関連した講演会となっています。
〈講師の薄井和男先生〉
講演では、箱根神社に伝わる縁起をもとに、箱根権現の神様についてと、武蔵・相模の懸仏について解説をされた上で、展示中の懸仏について詳しく特徴を解説されました。
〈講演会の様子〉
この懸仏と箱根神社の縁起を比べると、鎌倉時代の縁起には主尊は毘盧遮那如来(=大日如来)であり、この懸仏と合致すること、時代が異なるとこの主尊が異なるため、この懸仏の制作が鎌倉時代であること、「筥根」の銘文の可能性についてなど、この懸仏についてわかりやすくお話しされました。
また、たくさんの懸仏を紹介されたことで、この懸仏が鎌倉期の貴重な作例であることを改めて再確認しました。
普段、瑞穂町の狭山神社と神奈川県の箱根神社はどのようなつながりがあるのだろうと思っている方も多いと思いますが、この懸仏、講演を機にしっかりと知っていただけたのではないかと思います。
薄井先生、ありがとうございました。
なお、展示会期は12月1日(日)までとなっています。
次回の温故知新の会は11月23日(祝)、「第3回 描いて語る元狭山」、講師は関谷和さんです。ぜひご参加ください。
2024年11月03日
10周年記念特別展示「箱根神社所蔵箱根本地仏懸仏」・ギャラリートーク
みなさん、こんにちは。
11月2日より、ガイダンスホールにて、10周年記念特別展示「箱根神社所蔵箱根本地仏懸仏」が始まりました。
箱根本地仏懸仏は瑞穂町で発見されたと伝えられている懸仏です。
鎌倉時代後期の制作とされ、箱根権現の三尊(胎蔵界大日如来、文殊菩薩、観音菩薩)が鋳造されています。
今回は箱根神社のご厚意により、特別にこの懸仏を展示することができました。
〈「箱根神社所蔵箱根本地仏懸仏」展示風景〉
〈懸仏の三尊〉
瑞穂町にとって重要なのは、この懸仏の裏面に「筥根」という文字が刻まれていることです。
箱根ヶ崎の狭山神社(近世の箱根権現)との関係を物語る一級の資料となります。
また、この懸仏は、日本を代表する歴史作家吉川英治氏、国立市を本拠に活動した彫刻家關頑亭氏の手を経て、現在は箱根神社が所蔵しているという由緒も、数奇な運命を感じさせます。
会期初日の11月2日(土)にギャラリートークを実施しました。
初日にも関わらず、多くの方が関心を寄せ、解説を聞いてくださいました。
〈ギャラリートークの様子〉
〈じっくりと解説を聞いて下さっています〉
瑞穂町と箱根神社との関わり、箱根信仰に関心を持ってくださった方が多かったようです。
狭山神社の関係者の皆様もお越しくださり、この懸仏のじっくりとご覧になっていました。
展示は、12月1日(日)まで開催しています。
また、第2回ギャラリートークも11月16日(土)15時から行います。
貴重な懸仏をぜひご覧ください。
また、2階展示ギャラリーにて、企画展「石田和雄 ―薬師三尊と六観音像―」(会期:11月2日~12月1日)も実施しています。
こちらは瑞穂町在住の石田和雄氏による作品となります。併せてお楽しみください。
2024年11月02日
企画展 石田和雄 ―薬師三尊と六観音像―
本日(11/2)から、企画展「石田和雄 ―薬師三尊と六観音像―」がはじまりました。
瑞穂町在住の石田和雄氏が制作した、薬師三尊と六観音像をご紹介しています。
先日までのハロウィンなどの賑やかな雰囲気とは打って変わり、心穏やかになれるような空間が広がっています。
こちらは今年完成した最新作の《聖観音立像》。
丹精を尽くし彫り上げられた仏たちの佇む空間は感じ入るものがあります。
ちなみに…この展示を担当しました私のお気に入りは《如意輪観音坐像》です。
会場に足をお運びいただき、ぜひぜひ実物をご覧ください。
会期は、11月2日(土)~12月1日(日)。会場は、2階 展示ギャラリーです。
※11月18日(月)は休館日ですのでご注意ください。
他にも
10周年記念特別展示「箱根神社所蔵 箱根本地仏 懸仏」
11月2日(土) ~12月1日(日) ガイダンスホール
開館10周年記念企画展「大海道 細渕家展」
10月19日(土) ~令和7年1月13日(月・祝) 1階 企画展示室
も開催中です。併せてお楽しみください。
2024年10月27日
第230回 温故知新の会「消え去った言葉たち」
みなさん、こんにちは。
急に寒く成りましたね。本格的な秋の到来でしょうか🍂
けやき館では今日、第230回温故知新の会を開催しました。
講師は瑞穂古文書を読む会の小林良久さんで、演題は「消え去った言葉たち」です。
江戸時代から昭和初期にかけて、人々の暮らしの中で使われていたものの、今ではすっかり消えてしまった言葉を取り上げて、解説してくださいました。
「下肥」・「ドン」・「ねんねこ」・「アッパッパ」・「スウチャン」・「しらくも」などなど……。今では使われなくなった言葉が次々に紹介されました。
言葉って生きものなんですね。
次回の温故知新の会は、
11月23日(祝) 「第3回 描いて語る元狭山」
講師は関谷和さんです。
みなさんのお越しをお待ちしております。