2024年04月01日
開花目前!白いカタクリを探そう
新しい年度がスタートしましたね。今年のカタクリの全体の見ごろは先週の週末で、多くの人で賑わいました。
〈さやま花多来里の郷〉
一方、幻の白いカタクリの開花は明日以降になりそうです!
下の写真の中に、白いカタクリのつぼみがあるのを見つけられますか?
<カタクリの群落>
もう少しクローズアップしてみましょう。
<白いカタクリは柄に注目>
花の柄が、普通のカタクリは赤っぽい色が入るのに対し、白いカタクリはきれいな緑なのが特徴です。これは通常の色素が作られないためで、出現するのは数万本に1本の頻度といわれていますが、瑞穂町のさやま花多来里では何と2株、近い場所で見つけることができます。
白いカタクリの花言葉は「私は特別」「本当の姿を見て」「きまぐれ」だそうです。
あなたも白いカタクリを探しに出かけませんか?
2024年03月17日
第215回 温故知新の会「神仏に出会う旅ー社寺参詣の文化と瑞穂ー」
本日は第215回 温故知新の会「神仏に出会う旅ー社寺参詣の文化と瑞穂ー」を開催しました。
本日の講師は、当館学芸員の関口健氏です。
日本民俗学を専攻し山岳宗教史などを研究している関口氏が、さまざまな資料写真を見ながら社寺参詣に関わる話をしました。
「一 江戸の富士塚」とはどのようなものかというところからはじまり、「二 瑞穂にもたらされた札や護符」、「三 町内の石造文化と社寺参詣」と、瑞穂町の身近にある文化財や、当館で所蔵の古文書などからも分かる参詣の形やルートの話、最後には「四 社寺参詣と鉄道 」と御嶽山のケーブルカーの話まで。関口氏のお勧め観光ポイントや少年時代の遠足の思い出なども良かったですね。1時間半、ギュッと濃密につまった大変興味深く面白いものでした。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
こんにちは。
企画展関連展示「瑞穂の匠」より、引き続き見どころを選んでお伝えします。
最終回はパッチワークの鈴木貞子さんの作品を紹介します。
パッチワークは大きさや形、色や柄の異なる布やきれを縫い合わせる技法ですが、手間がかかるため、一つの作品を製作するのがとても時間が必要です。
こちらの作品は「アラベスク」です。
アラビア風(アラビア風植物模様)ということですが、青がとても鮮やかで、唐草模様で全体が構成されています。
幾何学的で何だかエキゾチックな模様ですがアップで見ると…。
〈アラベスク〉
〈アラベスク、右側アップ〉
〈アラベスク、右下アップ〉
このように見ると、実に細かい仕事ということがわかるのではないでしょうか。
続いて、「四重奏」です。
4つのモチーフを、配色を変えながら組み合わせ、一つの模様としています。
〈四重奏〉
こちらもアップしてみましょう。
〈四重奏、右側アップ〉
〈四重奏、中央アップ〉
瑞穂の匠の作品紹介は以上です。
また来年の瑞穂の匠もご期待ください。
こんにちは。
今回も開催中の企画展「ひなまつり展2024」より、「爲國(ためくに)さん家(ち)の雛飾り」の一部を紹介します。
今回は最終回ということで、「爲國さん家の雛飾り」の原点になる雛飾りを紹介します。
この掛軸は、爲國さんのお宅に伝わってきたものです。
〈立雛掛軸〉
いつ描かれたものかはわかりませんが、気品ある顔立ちの立雛です。爲國さんにとってのコレクション第1号とも呼べるものでしょう。
雛祭りというと今はお人形を思い浮かべますが、絵をまつることも多かったようです。
こちらの木目込み人形は、爲國翠子さんの生まれる前に買われたそうです。
その後も守り雛として大切に飾られているとのことです。
〈木目込み人形〉
コーナーの一角にも展示していますが、今回の展示で産地や購入場所が分かったものを地図に落とし込んでみました。
〈爲國さん家の雛飾りマップ〉
いかがでしょうか。北は北海道から南は鹿児島まで、まさに日本全国に散らばっています。
もちろん、これらは爲國さん所蔵の雛飾りの一部ですが、この地図を見るだけで旅をしている気分になれませんか。
こんにちは。
企画展関連展示「瑞穂の匠」より、引き続き見どころを選んでお伝えします。
今回は日本画の橋野弘美さんの作品を紹介します。
「春」は豊かに咲く真っ白な桜の花が印象的な作品です。
繊細で、温かみを持っているのが写真からでも伝わってきませんか。
〈春〉
「熱帯」は小品ながら密度を感じる作品で、トラにギュッとフォーカスされています。
先ほどの「春」の繊細さとは異なった印象をうけませんか。
〈熱帯〉
こちらの作品は水彩画の「嵐の後」です。
〈嵐の後〉
嵐の後のうごめくような、空の不穏な雰囲気が伝わってきます。
画から風も伝わってくるようです。
こんにちは。
今回も開催中の企画展「ひなまつり展2024」より、「爲國(ためくに)さん家(ち)の雛飾り」の一部を紹介します。
前回に引き続き、伝統工芸を用いた雛飾りについて取り上げます。
まず見ていただきたいのが、博多帯雛です。
〈博多帯雛〉
かわいらしい男雛・女雛が表面、裏面に縫われています。
ちなみに聞いたところでは、爲國さんの成人式の時にはこの帯を使われたのだそうです。
ふぐ雛はもちろん、山口県の伝統工芸、萩焼です。
萩焼は毛利家が萩へ本拠を移した際、陶工を連れてきて始めたとされ、400年の歴史を持ちます。
愛嬌のある雛飾りですが、本当によく見つけられたなと思いませんか。
〈ふぐ雛〉
そして、阿波藍で有名な徳島県の藍染め雛。
こんなに雛飾りのバリエーションが豊富なことに驚くのではないでしょうか。
〈藍染め雛〉
こんにちは。
企画展関連展示「瑞穂の匠」より、引き続き見どころを選んでお伝えします。
今回はステンドグラスの八百下樹実子さんの作品を紹介します。
雛祭りということで、男雛・女雛のステンドグラスです。
〈ステンドグラスのお雛様〉
一口に男雛・女雛といっても、種類は豊富です。
八百下さんもいろいろなバリエーションでおひなさまを作ろうと心がけてくれたそうです。
雛祭りの人形も本当に人それぞれのものがあります。
またランプシェードも灯りがつくと、とても暖かく感じられます。
〈ステンドグラスのランプシェード〉
どの作品もかわいらしく、展示している空間が華やぎます。
こんにちは。
今回も開催中の企画展「ひなまつり展2024」より、「爲國(ためくに)さん家(ち)の雛飾り」の一部を紹介します。
前回は郷土人形について取り上げましたが、今回は伝統工芸を用いた雛飾りです。
地域の特産品と雛飾りが合わさるといっても、想像しにくいかもしれませんが…。
伊賀組紐と結びついた、組紐雛です。
伊賀の組紐は和装の帯締めなどに用いられる三重県の伝統工芸品です。現在は帯締めだけではなく、ストラップやキーホルダーといった小物としても人気があるそうです。
〈組紐雛〉
「ガラスの街」小樽では、ガラス雛です。
男雛・女雛はもちろん、ぼんぼりや菱餅までガラス細工で作られています。
小樽では、北海道で必需品だったガラス製の石油ランプの製造が盛んで、後に工芸品としてのガラスの街となったとされます。
小樽ならではの雛飾りといえるでしょう。
〈ガラス雛〉
こちらは丸いお雛様ですね。卯三郎こけし雛です。
卯三郎こけしは、群馬県榛東村出身の岡本卯三郎によって始められた創作こけしで、創作こけしやキャラクターこけしなども制作しています。
少し、郷土玩具として紹介した「大内人形」も思い出させますね。
〈卯三郎こけし雛〉
地域の伝統産業・伝統工芸とも結びつく雛飾り、奥が深いですね。
こんにちは。
企画展関連展示「瑞穂の匠」より、引き続き見どころを選んでお伝えします。
今回は押し花アート町田友一さんの作品を紹介します。
まずは「五箇山の合掌造り」です。
〈五箇山の合掌造り〉
富山県南砺市にある合掌造りは、江戸時代より続く伝統を持ち、世界遺産に登録されています。
全体を見ていただいた後、ぜひ近寄って見て欲しいと思います。
〈五箇山の合掌造り 屋根付近〉
屋根は里芋の皮を使用しているとのことです。
他にも山並みやお庭も押し絵を使って表現されています。
続いて「残雪の渓谷」です。
〈残雪の渓谷〉
霞のかかる春の渓谷を緑豊かに表現しています。
〈残雪の渓谷 左側の森林〉
やはり近寄ってみると…、とても細かいですよね。
実は押し絵アートは材料集めが大変とのことです。作品を考えたら、各地に行って、構図に見合った素材を入手するのがまず大変なのだそうです。
雰囲気がガラッと変わって、「クリスマスローズ」。
〈クリスマスローズ〉
クリスマスローズの花をたくさん入れ、華やかな作品となっています。
普段目にするクリスマスローズと比べて印象はいかがでしょうか。
こんにちは。
今回は開催中の企画展「ひなまつり展2024」ついて紹介します。
企画展では、「爲國さん家の雛飾り」として、爲國翠子(ためくに みどりこ)さんよりお借りした雛飾りの展示をしています。
特徴は、とにかくいろいろな雛飾りがあるということです。
〈松本押絵雛〉
こちらは長野県の松本押絵雛です。
松本押絵雛の歴史は、江戸時代、武家の女性の趣味や習い事として始まったとされています。
顔が面長の浮世絵風で、立体感を出して作られています。
〈流し雛〉
こちらは鳥取の流し雛。旧暦の3月3日、用瀬(もちがせ)の千代(せんだい)川に流します。
雛祭りの原型は、自らのけがれを川に流すという行事にあったとされています。
そんな昔を感じさせてくれます。
〈大内人形〉
これは山口県の大内人形で、漆が塗り重ねられています。
山口県山口は小京都と呼ばれますが、こんなエピソードがあります。
大内家24代弘世(ひろよ)が、京より迎えた美しい姫があまりに都を恋しがるので、都から人形師を呼び寄せ、大内御殿の一室を人形で飾って慰めたという話です。
実否はさておき、郷土玩具として歴史が感じられます。
ひな祭りというと、段飾りを思い浮かべがちですが、各地にも目を向けるとさまざまな形、祝い方があることに気づかせてくれます。
そして、こうした雛飾りを集める熱意に驚かされます。
「ひなまつり展2024」は3/5(火)まで開催されています。ぜひお越しください。