2022年12月04日
第185回温故知新の会・自然に関する講演会「瑞穂町・狭山丘陵の植物化石が語る驚異の第四紀フロラ」
みなさん、こんにちは。
師走に入り、毎日寒い日が続いていますね🥶
本日けやき館では、第185回温故知新の会・自然に関する講演会「瑞穂町・狭山丘陵の植物化石が語る驚異の第四紀フロラ」を開催しました。
講師は、「むさしの化石塾」代表の福嶋徹さんです。
福嶋さんは、「多摩川中上流域上総層群調査研究プロジェクト実行委員会」のメンバーで、けやき館では今春に開催した企画展「遥か太古の瑞穂」でも様々な化石資料をお借りし、大変お世話になりました。
この福嶋さんは、狭山丘陵で多くの貝化石や植物化石を発掘しただけでなく、昭島市内でアケボノゾウの足跡化石を発見した研究者でもあり、数多くの学術論文も執筆されています。
講演では、第四紀(今から約260万年前から現在に至る期間)のうち、約170万年前から100万年前までに堆積した地層(上総層群・狭山層)から発見された植物化石から、狭山丘陵におけるこの時代(カラブリアン期)の3つの植物相(フロラ)の特徴に迫りました。
狭山丘陵は太古の昔には海だったこと、メタセコイアやハンカチノキなど現在の日本では絶滅した固有種の植物化石が、狭山層では数多く発見されていることなど、驚きの話が満載でした。
また講演会には、けやき館の温故知新の会でお馴染みの角田清美さん(青梅市文化財保護指導員、写真左)と、春の企画展でお世話になった樽創さん(神奈川県立生命の星・地球博物館主任学芸員、写真右)もいらっしゃいました。お二人とも福嶋さんと同じく、プロジェクト実行委員会のメンバーです。お互い久しぶりの対面ということで、なんだか同窓会のような雰囲気で、懐かしいひと時を過ごしていたのが印象的でした。
次回の温故知新の会は、須賀省三さんの「続・しめ縄を作ろう~わら細工教室」です(12月11日実施)。
みなさんの参加をお待ちしています。
2022年11月20日
第184回温故知新の会 郷土歴史講演会 「瑞穂町の古文書あれこれ」
みなさん こんにちは。 今日は、第184回 けやき館 温故知新の会 郷土歴史講演会「瑞穂町の古文書あれこれ」を開催しました。
講師は瑞穂町文化財保護審議会の副会長で、瑞穂古文書を読む会代表の塩島清志さんです。
〈講演会の様子〉
瑞穂町には、旧家で所蔵されていた古文書が今も伝わっています。そうした古文書を読解されているのが「瑞穂古文書を読む会」の活動です。
例えば、現在開催中の「栗原家文書展」の古文書読解についても、会のご協力を得て進めました。
さて、今回は「瑞穂古文書を読む会」で読解をしてきた文書の中から選りすぐりの古文書を紹介してくださいました。
例えば、殿ケ谷地区に伝わる「参宮道中日記」は、江戸時代に伊勢神宮への参詣に行った行程が記されています。殿ケ谷から八王子を通って東海道を歩き、伊勢神宮、金毘羅などへ詣でて、帰りには東山道から大宮を経て戻ってきたそうです。
〈講師の塩島清志さん〉
また、宿場のある箱根ケ崎地区に関わる文書では、箱根ケ崎村と石畑村・殿ケ谷村・岸村との間で、伝馬の費用負担をめぐって争いが起きています。
この争いの前提には、この4つの村を、昔は「村山村」として一つだったと主張する箱根ケ崎村とそうではないとする他の3村との認識の違いがあり、興味深い話題です。
12月4日開催の次回の第185回温故知新の会は、福嶋徹さんによる「瑞穂町・狭山丘陵の植物化石が語る 驚異の第四紀フロラ」です。狭山丘陵を地質から見る講演となっています。 こちらもぜひご参加ください。
2022年11月20日
第14回「古民家で楽しむ 紙芝居」
みなさん、こんにちは。
本日けやき館では、第14回「古民家で楽しむ紙芝居」を開催しました。
上演したのは、「長岡のシバモグリ」と「どんぐりぽとん」の2作です。読み手は、耕心館の長沢副館長が担当しました。
「長岡のシバモグリ」は、瑞穂町の長岡地区に伝わる昔話で、絵は瑞穂第二中学校美術部の生徒さんが描いてくれました。
「どんぐりぽとん」は、晩秋のこの時期らしく、ほっこりするお話でした。
「古民家で楽しむ紙芝居」全9作品は、YouTubeでもご覧いただけます。
次回の開催は、2023年2月を予定しています。どうぞお楽しみに!
みなさんこんにちは。
今回は開催中の企画展「栗原家文書展-村々のあゆみと名主の仕事-」の図録についてご紹介します。
〈今回の企画展図録の表紙〉
古文書の展示だと、内容も難しいし、文字も読めないし…と思う方もいらっしゃるでしょう。
でも、図録をみると、ページは14pと意外と手軽です。
図録に合わせて、まとまりが良いように古文書を選んだり、配列を変えたりしています。
ちなみにこんな構成です。
1章 四ヶ村名主と年貢収納
村にとっての大仕事、年貢はどのように領主に納め、どのような種類があるのか。
2章 山野の利用と争論
村での山・林の管理、村と村とで争う山野争論(訴訟)について。
3章 村々のすがたと栗原氏の仕事
文書の記録、鷹場への対応、村民の把握など…、名主の多様な仕事の紹介。
4章 富士山栗原新田の開発
栗原家が主導した富士山栗原新田はどのように開発し、定着したのか。
今回は図版もこだわっています。
一例を示すと、旗本大田氏の知行地が点在する「宮寺領絵図」。
〈展示されている宮寺領絵図〉
この中から栗原氏が四ヶ村名主を務めた村を抜き出します。
〈栗原家が四ヶ村名主を務めた村々の図版〉
このようにしてみると、絵図の見方も変わってくるのではないでしょうか。
企画展「栗原家文書展-村々のあゆみと名主の仕事-」の図録は、受付で購入できます。値段は200円です。
ぜひ一度手にとってみて下さい。
2022年11月13日
第183回温故知新の会 自然に関する講演会「丘陵を飾る花と私たち」
みなさん、こんにちは。
瑞穂町周辺も木々が徐々に色づき始め、すっかり秋めいてきました🍂
本日けやき館では、第183回温故知新の会・自然に関する講演会「丘陵を飾る花と私たち」を開催しました。本日までが会期の写真展「丘陵の花」の関連イベントで、講師は森林インストラクターの久保田鷹光さんです。
講演では、展示してある花の写真を紹介しながら、咲いている時期・周囲の環境・実際の大きさなどについて解説していただきました。「今日はどんな花に出会えるか?……心躍る瞬間です」という言葉に、久保田さんの花に対する想いが溢れています。
また講演では、カシノナガキクイムシによる「ナラ枯れ」についても説明がありました。近年狭山丘陵でも急速に被害が広がっていて、樹が枯れて夏でも葉が茶色くなってしまいます。さいたま緑のトラスト協会6号地会員として、「ナラ枯れ」の現状を知ってもらいたいという思いから、講演に盛り込んだとのことです。そして講演の最後には、久保田さん流の草花の撮影方法についてお話しくださいました。
普段は気がつかない道端の草花でも、発見してよく見てみると、なんだかほっこり癒されますね🌷
次回の温故知新の会は、塩島清志さんの「瑞穂町の古文書あれこれ」です(11月20日実施)。
みなさんの参加をお待ちしています。
2022年11月06日
企画展「栗原家文書展」ギャラリートーク
みなさん、こんにちは。
10月29日に企画展「栗原家文書展-村々のあゆみと名主の仕事-」の関連企画、ギャラリートーク(第1回目)を開催しました。
〈ギャラリートークの様子〉
栗原家文書展は、駒形富士山地区に伝わり、瑞穂町の有形文化財にも指定されている栗原家文書を紹介する展示です。
今回は、注目したい古文書を数点ずつ取り上げながら、解説しました。
江戸時代の古文書を見る時には、色々な背景を知っているとより理解が深まります。
例えば、名主の仕事の一つである、年貢はどのように領主に納められるのか。
少し細かく解説すると、「検地帳(水帳)」にもとづいて、領主から村の名主に対して「年貢割付状」という、年貢を納めるべき額を記した文書を出します。
村は、「年貢割付状」に従い、数回に分けて領主へ年貢を支払います。
年貢が全て領主へ支払われると、領主から村へ「年貢皆済目録」が出され、その年の務めを終えることができます。
以上が一般的な年貢上納の流れです。
ちなみに、栗原家の場合には4つの村を束ねる名主となっているので、4村の組頭の上に栗原家が立って取りまとめをします。
地域の文書は、個々の事情によって多少変化があります。
このような流れを知って、文書を見ると少し見方が深くなってくるのではないでしょうか。
〈質問もたくさんいただきました〉
ギャラリートークに参加していただいた方々は、瑞穂・入間・所沢と近隣の方が多かったので、自然と地域の話が盛り上がりました。
みなさん地域の歴史について関心が高いですね。
次回のギャラリートークは、11月19日(土)14時~15時までです。
少し違った内容にする予定ですので、ご興味ありましたらぜひ参加してください。
2022年10月23日
写真展「丘陵の花」のギャラリートークを行いました
みなさん、こんにちは。
けやき館では現在、写真展「丘陵の花」を開催中ですが、今日はその関連イベントとしてギャラリートークを行いました。
解説してくださったのは、撮影者の久保田鷹光さんです。
この写真展では狭山丘陵や加治丘陵など、丘陵で咲く草花の写真を約40点ほど展示しています。身近な花から珍しい花、大きな花からわずか数ミリの小さな花の写真も展示しています。
久保田さん曰く、「その花の最も美しい瞬間や、特徴ある姿形の草花を写しました」とのことです。また、「良い写真を撮るには、良いモデル(草花)を探すこと」、「ベストショットを撮るには、何度も足を運ぶこと」だそうです。お仕事を退職されて20年になるそうですが、まだまだお元気で野山を歩いて撮影を続けられています。
写真展「丘陵の花」は11月13日(日)まで開催しています。また、最終日(11月13日)には、久保田さんによる講演会「丘陵を飾る花と私たち」も実施します(講演会は要予約)ので、みなさんのお越しをお待ちしています。
2022年10月18日
写真展「丘陵の花」が始まりました
みなさん、こんにちは。
すっかりと秋めいた気候になってきましたが、いかがお過ごしですか?
けやき館では、今日から11月13日(日)までの会期で、写真展「丘陵の花」が始まりました。
写真を撮影されたのは、けやき館でもお馴染みになった森林インストラクターの久保田鷹光さんです。今日は展示初日ということで、久保田さんご自身が、けやき館にいらしてくださいました。
前回の写真展から約2年の時を経て、その間、狭山丘陵を中心に季節ごとに草花を追い続けて撮影した、渾身の一枚一枚を約40点ほど展示しています。
関連イベントとして、10月23日(日)14時からギャラリートーク(予約不要)、11月13日(日)13時30分から温故知新の会・自然に関する講演会「丘陵を飾る花と私たち」(要予約)を開催します。
丘陵にひっそりと咲き誇る草花たちの写真をご覧になり、生命の息吹を感じとってください。
みなさんのお越しをお待ちしております。
2022年10月18日
企画展「栗原家文書展」始まりました
みなさんこんにちは。
10月15日より、企画展「栗原家文書展-村々のあゆみと名主の仕事-」が始まりました。
この展示は、けやき館のある駒形富士山地区(江戸時代の富士山村)の名主栗原家が所蔵する「栗原家文書」を展示・紹介しています。
〈企画展示室の様子〉
古文書を中心とした展示は、一昨年の「清水家文書展」(長岡地区)以来となります。
「栗原家文書」は1,500点の史料があるとされていますが、今回の展示では栗原氏がどのように村の仕事を行っていたかうかがえるような文書を選んで展示しています。
展示されている史料を一点紹介します。
〈宮寺領絵図〉
展示室に入ってすぐに展示されている「宮寺領絵図」です。
地域としては現在の瑞穂町の元狭山地区と入間市の二本木、宮寺地区が中心に描かれています。
ちなみに写真手前側が二本木の宿場、奥に見える山々は狭山丘陵となります。方角は手前側が北、奥は南になります。
〈絵図の中から、富士山村あたり〉
では次に富士山村のあたりを見てみましょう。地図の上の山は狭山丘陵と狭山神社の山で、方角は南、手前側が北となります(ちなみに「池」は狭山池(箱根ヶ崎村)のこと)。
富士山村の部分は「ふじ山村」と記され、領主である旗本の「大田嘉兵衛分」と書かれています。
十字になっている道は、南北は日光街道、東西は高根街道となり、左側(東側)は高根、宮寺方面となります。今でも「辻」という屋号を持っている方もいます。
このあたりは家の数も多かったと見られ、絵図でも屋根が描かれています。一方で奥の方は「作場」とあり、畑が広がっていたと考えられます。
江戸時代の村々の様子を少し想像しやすくなったのではないでしょうか。
企画展「栗原家文書展-村々のあゆみと名主の仕事-」は12月4日まで開催しています。ぜひお越しください。
ブログでは、展示の情報や見どころなどをお知らせしたいと思います。
2022年09月02日
瑞穂中学校 職場体験実施中 ~その2~
みなさん、こんにちは!
暑い暑い💦と思っていた夏も、気がつけば9月になり、季節の移ろいを少しずつ感じるようになりましたね。
けやき館では9月2日まで、瑞穂中学校2年生による職場体験が行われました。
体験内容の一つに、けやき館周辺の史跡見学があります。今回は、水準点・狭山池周辺・狭山神社・五輪様のカキの木などを見学しました。
道すがら、道標石・馬頭観世音碑・常夜灯・庚申塔などの石造物も見て回りました。普段何気なく通っている道も、注意の目を向けてみると、いろいろな歴史的・文化的な遺物が、今でもあちこちに残されているんですね。
また、今回の職場体験では、常設展示室に置かれている「ワークシート」(クイズ)を一人一枚作成するというのが、生徒たちへのミッションの一つでした。常設展示や解説を見ながら考え、問題の選定・写真撮影・PCへの入力までを行いました。
瑞中生が作った「ワークシート」ニューバージョンは、常設展示室に設置してありますので、けやき館にいらした際は是非この「ワークシート」にチャレンジしてみてください。