2020年05月31日
ブログde万葉集と山野草 番外編Ⅶ
新しい生活様式・・・いったいどんな風になっていくのでしょう。with コロナ。資料館も時世の流れを考えなければですね。
今日の番外編は『ちょこっと万葉集』の最後のページから。
経もなく 緯も定めず 少女らが 織る黄葉に霜なふりそね
➡縦糸も横糸もこれといって決めずに様々な色で織りなした布がもみじのようだ
この万葉集の歌は散らばったもみじの葉が織物のようだと詠っています。なんとなく目に浮かぶ光景ですね。
万葉集の中では「黄葉」と表記することがほとんどで「紅葉」は一首のみと言われています。万葉人は紅より黄を愛でたのでしょうか。これは中国の陰陽五行説の影響を受けているらしいです。
ご存知のようにここ瑞穂町は村山大島紬の産地でした。(織柄がよくわかるポスターがあったので掲載しますね。)
模様に合わせ染められた縦糸横糸を機織りで織ると見事な柄の大島紬が完成します。
言葉にすると簡単なようですが、40行程もあるそうです。たくさんの人が携わって作られる伝統産業なんですね。
もみじの季節にはまだまだですが、村山大島紬は6月22日(月)よりけやき館 展示ギャラリーでご覧いただけます。
2020年05月27日
ブログde万葉集と山野草 番外編Ⅵ
パネル展では“ちょこっと万葉集”と題して、本当に私的な小冊子(冊子と呼べないくらいうっすーい!)を配布させて頂きました。これは例年、来館者の皆様から「何かパンフレットのような物はないの?」という熱い要望(?)にお応えする形で、今年初の試みです。
パネル展で紹介した耕心館で見られる山野草の写真や、枕詞の紹介などをしています。
今回の展示では染色と山野草にスポットをあてましたが、他にも面白い物をご紹介したくて・・・。
↑こちらは万葉のラップ!よく万葉集は声に出して読むと面白いといわれますが、この天武天皇の歌はまさに声に出してみたくなりますよね。
2020年05月24日
ブログde万葉集と山野草⑫
晴天の日々から、先週は梅雨のようなお天気でしたね。本格的な梅雨になる前の、ぐずついた天気のことを“走り梅雨”と言うのだそうです。その走り梅雨もあけ今日からは気温も上がるそうです。
万葉集のパネル紹介最後を飾るのはツルバミです。
大伴家持が「年若い恋人より糟糠の妻だよ。お前さん。」と部下を諭している歌だといわれています。橡を用いた染色は触媒によって様々な色に変わり、素染めでは亜麻色、灰汁を使うと黄茶色系、鉄媒染で黒っぽい色(つるばみ色)になります。橡色に染めた衣は褪色しにくく堅牢なので庶民の服とされました。派手さより堅実さをツルバミになぞらえ説いている歌が万葉集には6首あります。
さて、前回のクイズの答えです。
そうです! ②防人 です。
北九州の防衛にあたった兵士で任期は三年。のちには東国出身者に限られるようになった。親元、妻子を残してなど万葉集には家族とはなれる悲しみの歌が多く見られます。
万葉集は日本最古の歌集として、身分の上下や立場にとらわれることなく自由闊達に詠まれた多彩な表現が魅力となっています。万葉集初心者マークの私は、万葉集の詠み人や時代背景を知るために簡単な子供向け歴史漫画などを読み返しています。「あれ?何だっけ。聞いたことある。」そんな小さな興味をそのままにしないで、本やネットで調べる時間が持てるのがSTAY HOMEです。
本日でブログde万葉集と山野草(パネル)は終了ですが、まだお伝えしたいことが・・・番外編はもう少し続けさせてください。
では、次回は番外編で。
2020年05月24日
一足早い、企画展「みずほの蝶」のご紹介③~図録について~
みなさん こんにちは。
けやき館では、展示の際に図録を刊行することがあります。
今回は企画展「みずほの蝶」に関連して、図録についてお話したいと思います。
〈図録「みずほの蝶」です〉
けやき館では、展示図録は展示のハイライトであり、いつでも手軽に展示を振り返って見られるように心がけて編集しています。
ポイントをいくつか挙げると…
①手にとりやすく
ボリュームのある図録もよいのですが、ちょっと手に取りづらいですよね。そこで、大体16~24ページくらい、オールカラーでまとめています。今回の「みずほの蝶」は20ページです。
これくらいなので、一気に読みきることもできます。でも、好きなところを拾い読みでもよいですよ。それに今回の展示では前期、後期に分かれていますので、一度に見られる図録は便利ですよね。
②見やすく
「みずほの蝶」では、瑞穂町で見られる(見られた)チョウ、75種を写真で紹介していますが、図録では写真を加工して、チョウがアップで見られるようにしています。
展示ではチョウとその周りの環境を見てもらいたいという考えから、周りの木や草などもよくわかる写真を展示しています。
図録では、チョウそのものの姿を見てもらうため、アップの写真を採用するようにしています。
〈チョウの写真も少しアップにしています〉
また、解説文も分量を調整したり、展示解説も構成を変えたりして図録に収めています。これも一冊の図録として読んだときにわかりやすいようにという工夫です。
③実際の展示と図録は違うの?
ちょっと違います。
展示は資料を中心にみて、そこに解説が加わっているというものです。どちらかというと資料重視ですね。
でも、図録の場合は、実際の資料ではなく、写真が主となります。資料と解説を一緒に読んで、理解してもらいたい。どちらも対等な関係です。
また、展示の時には見にくい部分の写真、細かくて入れにくかった解説を入れることもあります。結局は、展示も図録も両方大切ですよということですが、こうした目線で見ると、違った見方ができるかもしれません。
〈解説も見やすく、簡潔に!〉
企画展「みずほの蝶」の図録は、受付で購入できます。値段は200円です。
ぜひ一度手にとってみて下さい。
みなさま こんにちは
緊急事態宣言が解除された地域もありますが、ここ瑞穂町は東京都、まだまだステイホームでお楽しみ下さい。
はい、おなじみになってきましたか?けやき館のジオラマです。だるまくんも1個います。でも、今日は何か雰囲気が違いませんか?
実は当館のジオラマは、初夏(ちょうど今頃でしょうか)の雑木林の一日を音と光で体験できるのです。お聞かせできなくて残念ですが、キレイな鳥のさえずりや、雷や雨の音も再現されています。
夜にはフクロウの鳴き声が‥‥(ムードあります)
そしてこちらの夜の樹液のレストランには、いろいろな昆虫が集まってきていますね。
カブトムシ(オス、メス)、ノコギリクワガタ(オス、メス)、ベニスズメ、ベニシタバです。わかりますか?
昼の樹液レストランもありますよ。こちらも沢山集まっていますね。
オオスズメバチ、オオムラサキ(オス、メス)、ゴマダラチョウ、ヒカゲチョウ、カナブン、クロカナブン、シロテンハナムグリです。(最後に貼った写真で名前をかくにんしてくださいね。)
レストランには、昼も夜も蝶がやってきてますが、けやき館では、6月1日(日)からの開館にあわせ、企画展「みずほの蝶」を企画展示室で開催します。(最終日7月26日)企画展に関しては、他のブログで詳しくご案内しておりますが、ステイホームでけやき館では、ぬりえをご案内したいとおもいます。
おうちでのんびりいろいろな色で、素敵な蝶を完成させてくださいね。
こちらのぬりえに色付けをしていただきご来館の際にお持ちいただけたら、たくさんの仲間と一緒に貼らせていただきます。
あと一息、みなさまおうちで楽しいひと時をお過ごしくださいませ。
そして、近々けやき館でお会いできることを願ってます。
樹液レストランの昆虫たちの名前です。
2020年05月19日
ブログde万葉集と山野草 番外編Ⅴ
2020年05月19日
2020国際博物館の日 International Museum Day
みなさん こんにちは。
5月18日はICOMが提唱する「国際博物館の日」でした。
こんな日があるのご存知でしたか??
全国の博物館・動物園・水族館等でこの日を中心にさまざまな記念行事を開催する そんな日です。
けやき館でも5月19日にご来館した方に記念品を差し上げようと準備をしていました。
しかし大変残念ですが、現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のために臨時休館中。
今年は中止です。
来年の今頃の「国際博物館の日」に、また素敵な企画を準備したいと思います。
職員一同、みなさまにお会いできる日を楽しみに!
2020年05月18日
臨時休館中のけやき館&耕心館!
皆さん、こんにちは。
気持ち良い風が吹いていたので、耕心館のお庭を見てきました。
ここは東京?と思うほど、空気もきれい。
良く言えばのどかなところ(笑)。
いろんな山野草が咲いてて、見頃です。
〈ハッカクレン〉
葉っぱに八つの角がある。
葉の中心に葉柄があり蓮と同じなので、八角蓮(はっかくれん)。
〈ムサシノキスゲ〉
ちょっと、百合っぽいですね。
〈ミヤコワスレ〉
5月になり、たくさん咲いてきましたよ。
〈ユキモチソウ〉
頭巾形の花の中に白く丸い棒があり、雪や餅を連想させる。変わった形をしてますね~。
〈オドリコソウ〉
一輪ずつ見ると、踊り子が踊っているように見えます。
〈タツナミソウ〉
紫のかわいい小花です。分りますか?蜂が美味しそうに蜜を吸っていますね~。(三密ではありませんよ)
竹林の足元にはつつじがきれいに咲いてます。
竹の子が大きく育ってます。食べごろは過ぎましたね~。
〈樹齢300年以上の大けやき〉
大けやきの足元には可愛い花が咲いてます。アケボノセンノウです。
大けやきのそばには、イスとテーブルのあるお休みスポット。
今頃の陽気なら、風に吹かれてボーっとするには最高ですよ!
来年は、ここでゆるりとされるのも良いかと思います。
2020年05月16日
ブログde万葉集と山野草⑪
こんにちは。
雨の土曜日いかがお過ごしですか?
ここ数日の晴天で、日に三回は洗濯機を回し、庭の草取りにやっきになっていたら・・・筋肉痛、腰痛のオンパレード。歳を感じる今日この頃です。
さて今日の万葉集はツバキです。
椿・・・冬の花のイメージなんですが、きへんに春と書くだけあって春の季語なんですね。
この歌は椿で染めるのではなく、媒染材としての椿の紹介をしています。この時代にはすでに媒染を用いた染色方法が確立されていたんですね。
海石榴市は現在の奈良県桜井市金屋あたりにあった大きな市場だったようです。市の立つ日に若い男女が集まって歌を詠みあう「歌垣」がおこなわれていたのでしょう。
では、前回の秋の七草のクイズの答えです。
秋の七草のうち万葉集に一種しか詠まれていないキク科の植物は “藤袴” です。
では今日の問題。
Q.さだまさしの歌にもある、北九州の防衛にあたった兵士を何と言うでしょう。
①旅人 ②防人 ③歌人 ④魔人
余談ですが私はさだましの「風に立つライオン♪」が好きです。
適度な運動と適度な笑いで、週末のSTAY HOMEお過ごしくださいね。
みなさまこんにちは。
「ステイホームでけやき館」です。今日も、ジオラマで雑木林を散歩してみましょう。
はい今日も2個のだるまが遊びに来てくれました。わかりますか?
ちなみにけやき館のある瑞穂町には、5軒の東京だるま製造者があります。毎年1月18日には、円福寺でだるま市が開かれています。実は前回の「ジオラマだるま探し~」に写っていただるまの中に1個だけ東京だるまではないだるまがあったのですが、お気づきでしたか?
よかったら5月10日のステイホームでけやき館を見てみてください。
さて今日は‥‥こちら、ホンドギツネが何かを狙っているようですね。
ネズミです!
ホンドギツネは、普段は縄張り内で単独で行動していて、雑木林だけでなく人里近くや農耕地にも姿を見せます。
ここ瑞穂町でも時々目撃されていて、けやき館では、お客様からの目撃情報を元に「目撃マップ」を作っています。
あ!こちらでは、もう捕まっちゃってるぅ~‥‥
マイマイカブリ(黒い昆虫)がカタツムリを食べています。※マイマイとはカタツムリのこと
マイマイカブリはカタツムリをエサとして食べるのですが、その時の『マイマイ(カタツムリ)の殻に頭をつっこんでいる様子がマイマイをかぶっているよにみえる』ことが、名前の由来だそうです。ちょっと怖~い。
そして、なんとマイマイカブリは日本の固有種!!日本にしかいないなんてちょっと誇らしい。
危険を感じると尾部から液体を噴出するので、近くで観察しようとするとその液体が目に入ったり、皮膚について炎症をおこす恐れがありますが、けやき館のは安全ですから、じっくり見てくださいね。
長くなってしまいましたが、今日もおつきあいありがとうございました。
それではまた。