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イベントのお知らせ学芸員の小窓

染織体験教室「オオキンケイギク染め」

6月22日(日)に、染織体験教室「オオキンケイギク染め」を行いました。

けやき館では、年に3回ほどの染色体験教室を行っていますが、“オオキンケイギク”を使った染色教室は初めての試みです。

この鮮やかな黄色いお花が“オオキンケイギク”です!!…道路わきや空き地など、身近なところで見たことありませんか?
実はこのお花、特定外来生物*なのです!きれいでも、あってはいけない・増えてはいけないのです。

*特定外来生物とは、生態系や人の生命に被害を及ぼす外来生物のうち、規制・排除の対象として指定された生物のことです。

今回の染織体験は、けやき館近くの16号沿いで駆除**したオオキンケイギクで、その有効活用のひとつとして環境月間である6月に行うというものです。
**駆除は、国土交通省の許可を得て、けやき館ボランティアグループ「Route16瑞穂」を中心に関係者で5月18日(日)に 行いました。

この教室は、けやき館ボランティアグループ「Route16瑞穂」との共催で、特定外来生物に関するレクチャーを「Route16瑞穂」の佐藤友香さん、染色の講師は「織り姫会」のみなさんに行っていただきました。

初めてのことでしたので、織り姫会の方々が染液の抽出方法や媒染剤など何度も試作し準備してくださいました。

 

最初に「Route16瑞穂」の佐藤友香さんから、オオキンケイギクと特定外来生物についてのレクチャーを受けました。

いよいよ染色に入ります。
下処理のされたストールを、オオキンケイギクが抽出された染液につけます。

媒染剤(定着剤)に入れ、しっかりと色をとめます。

再び、オオキンケイギクがしっかりと抽出された染液につけます。

タオルドライのあとアイロンがけをして完成です。

同じ染液からこれだけ違う色に染まりました。
花の色に近い強い黄色、ふんわり黄色、染液本来のオレンジ色寄りの黄色など、バリエーションができました。

最後は、参加者の感想をお聞きしながらの講評となりました。
ちょっとした条件で染まる色が変化する繊細さや、化学反応としての面白さも楽しんでいただけたのではないでしょうか。

そして、オオキンケイギクの少しの花からでも、その見た目通りの強く濃い染液ができました。染めも強く、その生命力を実感する染色体験となったかと思います。

 

参加者のみなさま、ありがとうございました。
この体験教室を開催するにあたり、多大な協力をいただきました、Route16瑞穂のみなさん、織り姫会のみなさん、国交省の担当の方、またお手伝いいただいた帝京科学大学の学生のみなさん、ありがとうございました。

ちなみに、国土交通省のXにこの活動の一連の様子を掲載いただいています。ぜひこちらもチェックしてみてくださいね ➡ X:国土交通省 相武国土事務所

 

次回の染織体験教室は、「インド藍の板締め染色」を9月6日(土)に予定しております。
こちらも、他ではない貴重な体験のできる染色教室となっています。奮ってご参加ください。お待ちしております。